【Memorandum】正体不明のクワガタムシについての例2

 2002年採集とされる南米のSphaenognathus sp. 1♂個体。データの示す産地エリアからは此の1♂以外に同属の存在を知らず、追加資料も全く見られない。

f:id:iVene:20230616231954j:image(詳細産地の公表は控えるが、ヒントを言えばシワバネクワガタ属の採集例としては初めて知るエリアのデータだった)

 入手時は別の既知普通種と誤同定されていた。

 別産地では近似した別な既知分類群が見られ、いずれかの個体差かと考え調べてみたものの、同じ分類群として全く一致しそうな個体が見られない。どうも所々の細部特徴が一致しない。

 1頭のみであるため奇形という線も考えられるが、初めて見る離れた産地データであったゆえ解釈は難しい。

【追記】

 1頭だと分類が解らない。

 世の中には「n=1のサンプルサイズで何が言えるんだ」というご尤もな批判をしながら、ホロタイプ1頭のみで現生の新分類群記載をやる人物に媚び諂うような党派性ばりばりの権威主義者達も沢山いて、分類学的な経験が少ないと傍観者側は混乱しやすい。

 妙な記載を続ける派閥によっては"分かっていて悪質な記載をしたとしか考えられない人達"も見られる。結局其れ等も商業主義的であるのだが。

https://twitter.com/himasoraakane/status/1667043927017533440?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 1例しかなく悩ましい例は沢山ある。そして大抵が調査例の乏しい産地だったりする。しかもそういう産地は昔からずっと入域困難という例もよくある。