【Memorandum】ミャンマー北部カチン州産ボレルノコ似Prosopocoilus?不明種個体について

 インド東部アッサムから記載されたProsopocoilus (Kirchnerius) boreli (Boileau,1904):ボレルノコギリクワガタは希少種と知られ、インド東部ナガランド、ミャンマー北部に局在的な分布、またインド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州とチベットで多産地が知られる。

 しかしインド・アッサム産、インド・ナガランド産、またミャンマー北部産は異常なまでに希少らしく、標本商の友人曰く「ミャンマー産は10年以上通って数頭」なのだそうだった。ミャンマー産は昔から各現地ルートから1頭ずつは見られており"自然界に生物としての存在"について最初は半信半疑だったが、現地での発見例数が増えるごとに確実性を増した。インド・アッサム産に至っては分類屋の友人が10数年やりとりされた現地ルートから2♂のみだった程だそう。

 アッサム産P. boreliについては資料として新しい個体群の調達が絶望的で殆ど諦めるしかないが、ミャンマー北部カチン州産については偶然にも不明種扱いで入手する機会があり、標本商の友人に見てもらっても間違いないそうだった。

 ただしミャンマー北部産は変わった雰囲気をしていて同じ分類群ではないかもしれない。

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 アルナーチャル・プラデーシュ州産やチベット産とは勿論だったが、とりあえず気になったのはインド・アッサム産との差異。分類屋の友人に実物を比較観察させてもらうと、顕微鏡下でもかなりの差異があるように見えた。背面の点刻の粗さ・脚の太さがかなり異なり、交尾器も大きめ。標本商の友人に見せてもらった写真を参照してもミャンマー北部カチン産は安定するような感じだった。分類屋の友人はミャンマー産を持たれておらず、双方新しい見聞を得る事が出来た。

 ただし交尾器の考察は難しく結構変異幅が広い。また形態差の割に個体数が少な過ぎるため、分類の結論を出すには未だ不足が多いと考えた。現地情勢や希少性を考えると、確かな結論が出るのは未だかなり先の事のように考えられる。

【Reference】

Boileau, H., 1904. Description de Coléoptères nouveaux. Le Naturaliste 26:284-285.

【追記】

 国庫等から予算をもらう"研究"はじめ金銭的な事が関わりやすい話はいつも研究不正なんかの"詐欺"にならないよう細心の注意を払っていなければならない。しかし其の辺りの法的意識や科学的意識で文明レベルが低いままの業界は存在するため記しておく。

https://x.com/nalltama/status/1730437271000953026?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

https://x.com/v69o6il62amijju/status/1724406628626366542?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 悪事を企む人達が手に染めやすい犯罪はバレにくい"詐欺"。一線を越えた人達は、いつ訴えられて捕まっても不思議ではない状態。"エセ科学で商売"なんかは詐欺が成立する事例が多い。

https://x.com/pkanzug/status/1732628588128801238?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 友人達には危険な商売をやる人達の存在について"自身は関わらないようにしている"としつつ、忠告もしてきているが業界の現状は友人達の功績や立場を考えると気の毒な状況とも思う。。

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 生物関連で商売をするのは結構なリスクがある。件のSTAP事件も詐欺的な事が行われ本来なら逮捕者が出て不思議はない事件だったが、殆どの責任者が逃げるようにそそくさと雲散霧消してしまい、また"細胞の摺り替えがあったとしても其れだと犯人が分からない"状態であったため逮捕者が出ずリカバリーが普通に行えない状態になってしまった。

 此の状況は見かけ上"STAP事件責任者らを恰も無責任なまま赦したかのよう"にも見えるが、実際はそうではなくSTAP事件を起こすような組織体制、またトップクラスですら当時見られた生物科学業界のコンプライアンス意識の低さが露呈するものであったため、事務手続きの厳正化等として業界全体に連帯責任があるかのような対応を余儀なくされる形になった。

https://www.mc-law.jp/mc_soudan/17055/

(ある意味では"文明レベルを上げる事になった"事件ではあったが。。)

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 学術用語を利用するなら科学的センスは必須だが、商売をするなら其の前にコンプライアンス意識を固めておく必要がある。其れを理解しておく為には先ず"詐欺罪"を知っておかねばならない。

 「詐欺罪」とは、人を欺いて財物や財産上不法の利益を得る行為などに成立する犯罪です。財物を交付させる類型は「1項詐欺罪」、財産上不法の利益を自ら得るまたは他人に得させる類型は「2項詐欺罪(詐欺利得罪)」と呼ばれます。

 詐欺罪の構成要件は、
① 人を欺く行為(欺罔行為)
② 被害者の錯誤
③ 被害者による交付行為
④ 財物または財産上の利益の移転
の4つであり、これらの間に一連の因果関係が存在することが必要です。一連の因果関係が認められない場合は、詐欺未遂罪が成立するにとどまります。
 詐欺罪は、同じく財産犯である「窃盗罪」や「横領罪」と比較されることもよくあります。
 企業が関与する詐欺罪の例としては、以下のパターンなどが挙げられます。
・代金を払う気がないのに商品を発注した
・欠陥品であることを隠して商品を売った
・倒産状態であることを隠して融資を受けた
 これらの詐欺被害に遭った起業は、刑事告訴や契約の解除・損害賠償請求などを行いましょう。
この記事では詐欺罪について、窃盗罪や横領罪との違い・構成要件・被害に遭った企業の対処法などを解説します。
https://keiyaku-watch.jp/media/hourei/sagizai/

 詐欺というのはシンプルに言えば"嘘で利益を得る事"。

https://togetter.com/li/2265104

 虫業界で言えば"研究不正に該当する手法(※論文上に記述の証拠が残る場合等)で生物の分類群をでっちあげタイプ個体として付加価値を付けて売り捌く"等が綺麗に詐欺の要件を満たす。私の知る科学者の方々に聞いても皆「そりゃあ完全に詐欺だ」と仰る。

 "過失による詐欺の場合は?"という状況に対しても法律は決まっていて、シンプルな答えとしては"詐欺罪への過失の適用は無く減刑は無い"。

https://x.com/satetu4401/status/1732177062658711567?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 一般的に知られる常識的な話であるが"過失なだけ"なら詐欺の犯罪にはならない。だから例えば某SNSで明らかに非科学的な珍説を披露している人間を見かけても私は軽く流して放逐する。他の業界だと即突っ込みが入るのは少し羨ましい。。

https://x.com/himasoraakane/status/1733054625044148336?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 しかし争点は"詐欺行為をやろうとしたかどうか"で、過失でも詐欺をやろうとしたなら其れは詐欺罪や詐欺未遂罪の要件を満たす。だから普通の一般的な人達は最初から詐欺にならないよう注意して生活費を稼ぐ。

https://x.com/maimai0049/status/1731690899103518980?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 刑法は、過失犯を処罰することを定めた犯罪を除き、犯罪の成立には罪を犯す意思(故意)を必要としています。そして、詐欺罪や窃盗罪に過失犯を処罰する規定はありません。そのため、知らずに関与していた場合、知らなかったことの内容によっては、故意が認められないものとして処罰されないことになります。
 ただし、最高裁判決の中には、特殊詐欺の被害品運搬役について、「詐欺に当たる可能性がある」との認識があった場合に故意を認めたものがあります。そのため、詐欺に関与していることを確信するまでに至っていなくても、有罪とされる可能性は十分にあります。また、仮に詐欺であることを知らなかったのが真実であり、そう話しているとしても、裁判所は、被疑者の話の内容(客観的な事情と一致しているか、不自然でないか等)、客観的事情(犯行に関与することになった経緯、関与行為の内容等)も考慮して故意の有無を判断するため、被疑者の話は信用できないとして、故意があると判断してしまう可能性もあります。そのため、早期に弁護士に依頼することは、信用されないような不利な調書を取られることを防ぐ、事故の言い分を裏付ける証拠を早い段階から集めることが期待できる点で、望ましいものであると考えられます。
https://www.lawyer-okamoto.com/kagaisya/kagaisya2/

1、故意とは
 刑法における「故意」とは、刑事事件においては非常に重要な概念です。また、刑法上の「故意」を理解するにあたっては、「過失」の意味も理解しておく必要があります。
 この章では、刑法上の故意と過失について解説します。
(1)故意と過失の言葉の意味
「故意」とは「わざとすること、またはその気持ち」、故意の対義語である「過失」は、「不注意などによって生じたしくじり、過ち」を意味します。日常生活の中で使われる場合、故意は「わざと」「意図的に」、過失は「うっかり」といった意味をもつことが多いでしょう。
 では、刑法においてはどのような意味合いを持つのでしょうか。
(2)刑法における故意と過失
 刑法上の「故意」とは、犯罪事実の認識・認容と定義されるのが一般的です。わかりやすく言い換えれば、犯罪を構成する自らの行為を認識し、それをよしとする(認容する)ことを指します。
 また、故意には「確定的故意」と「未必の故意」の2つの考え方があります。犯罪結果を確実に予測している場合が確定的故意、確実ではなくてもその可能性を認容している場合は未必の故意として、故意が認定されます。
 一方、過失とは、注意義務に違反する状態、いわゆる不注意と言えます。
 ここで言う注意義務とは、結果の予見可能性を前提として、結果を回避すべき適切な対応をとらなかった回避義務を怠ったことを指します。
https://keiji.vbest.jp/columns/g_other/4919/

 金銭が関わる以上、利益を集める人達は常識的に知っておかなければならない事であり、知る知らない関係なく詐欺は法的にも倫理的にも許されない。詐欺は未遂だったとしても罪になるのは少なくとも"未必の故意"はあるからだ。

 詐欺未遂罪とは、お金などの財産を交付させようとして人をだまそうとしたものの、だましとることに失敗した場合に成立する犯罪です。
https://atombengo.com/column/33713

 "未必の故意で不当に利益を上げようとした"と解る言動は詐欺の証拠になる。だから私は"一線を越えたと認定した人達"とは関わりを持たないようにしている。ありとあらゆる意味でリスクがあり過ぎるから。通常の企業なら「危ない商売人と関わらないように」研修で義務づけられる。場合によっては懲戒免職や更迭、引責辞任もありうる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%8F%8A%E7%91%9A%E8%A8%98%E4%BA%8B%E6%8D%8F%E9%80%A0%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 "詐欺"の意味を知らずに、"詐欺"の言葉を使っている人達を結構見かける。特に"転売の正当化"に必死な人達に。大抵の場合に"未必の故意"について思考されていない事がよく解る。ゆめゆめ油断せず知っておくべきと考える。