過去に変わったソリアシサビクワガタを2頭手にする機会があった。詳細は公表しないがニューギニア島に近い離島の産。
(初見時は「そんな場所にミレス?」と意外さを感じた)
一見ミレスソリアシサビクワガタに似るも、頭部の前方に伸びる角状突起は比較的太く、基部内歯の出方も異なるらしい。
調べてみるとそっくりな外見の、ニューギニアを基準産地とする既知分類群"Gnaphaloryx miles var. laticornis Boileau 1903"が記載されてあった。
(「Mizunuma, T., & Nagai, T. 1994., The Lucanid beetles of the world. Mushi-Sha Iconographic Series of Insects. H. Fujita Ed., Tokyo 1:1-338.」より引用。"Gnaphaloryx miles var. laticornis Boileau 1903"タイプ個体)
記載以後、ニューギニア本島から同型の個体群が見つけられてある記録や例は自身では見知らない。
実検の叶った個体群は離島のものだが現行の西パプア州の中にある島々の一つ。フライ川とされる基産地とは結構離れるが、此の類のグループは分化があまり激しくない。ううむ。。
スラウェシやハルマヘラの基本的なミレスソリアシサビクワガタと見比べると、どうも交尾器サイズに差異があるように見えた。もう少し個体数を見たいところだが、もはや厳しいかもしれない。。
【References】
Boileau H. 1903., Description sommaires de Dorcides nouveaux. Bulletin de la Société entomologique de France 1903: 109-111.
Mizunuma, T., & Nagai, T. 1994., The Lucanid beetles of the world. Mushi-Sha Iconographic Series of Insects. H. Fujita Ed., Tokyo 1:1-338.
【追記】
"Gnaphaloryx miles var. laticornis Boileau 1903"は"タイプデータが間違いのミレスソリアシサビのシノニム"と考える人達も結構いた。
しかし実際にタイプ産地に寄る地域から見つけられ外形は特異的、さらには独立種の可能性が高くすらあった。
こういう生物種は、やはり現地入りして調べる人達によって見つけられ、"生物として実在する事の再現性"を確認される。其の過程が結果の一部として科学的に重要であったりする。
しかし此れまた未同定時に底値だったものだから、また採集されるかもと考え2頭中の小型1♂は分類屋の友人に譲った。しかし其れ以降全く採集されなくなってしまった。判断が難しいがフロックだったのかもしれない。
【雑記】
虫の事に限らないが、何でも情報を得やすい時代でキリが無い気分もある。
iNaturalistなんかは同定ミスに目を瞑むれば、私みたいな人間には便利過ぎて驚くばかりのソーシャルサービス。一昔前はこんなに便利なものが出てくるとは想像もしていなかった。ただ標本商の友人などは"便利な一方で苦せずして観察データを取得出来てしまう現状"を危惧される。
ただまぁいつかは情報の流れも鈍化する時代は来る。其れがいつになるかは分からないが。。
、、、、、
流れの鈍化というと"バブル崩壊"を思い出すが、バブル景気を"バベル景気"、"バブルの塔"等と駄洒落チックに揶揄していた人達を見た事も懐かしい。
https://www.abaxjp.com/babeltower/babeltower.html
実態的でない理想ありきで現実社会の経済を天井知らずに回されようとしていた事が揶揄される。
日本国内だとオウム真理教や創価学会などが勢いづき問題視されやすかった頃、そういう流れが世の中の動きを一部支配していた覚えがある。近年では勝共連合や共産党系が久々に悪評を集める。
(そういえば昔、木曽福島の某お好み焼き屋に行った際に公明党の選挙ポスターがデカデカと貼られていて異様な雰囲気だった事を思い出す、)
https://x.com/himasoraakane/status/1701188519090348216?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw
バブル経済(bubble economy)とは
バブルは「泡」という意味で、実態の価値以上の評価(泡の部分)が生じている経済状態のこと。
具体的には株、土地、建物、絵画、宝石など各種の資産価格が、投機目的で異常に上がり続け、その結果、それらの資産額が膨らみ、大きな評価益が発生しているかのように見える状況のこと。
最近の日本では1980年代後半から1990年代初頭までが相当する。1980年代後半の金余りを背景に、地上げによる土地や財テクブームに乗って、地価や株価が高騰。東京株式市場の売買額が世界一になり、ノンバンクも含めた土地関連銀行融資の激増、リゾート法の改正などが相次いだ。
このバブル経済は、その後の金融引き締めや不動産融資規制により、1990年頃には地価の下落、株価の下落へと向かった。
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yogo/h/bubble_keizai.html
バベルの塔
Tower of Babel
『旧約聖書』の「創世紀」第11章に出てくる塔
ノアの子孫が天に届く塔を築こうとしたため神の怒りにふれ,言語を不統一にして混乱を起こさせ,建築を中止させたといわれる。これは各国語の存在を神話的に説明したもの。バビロンほかメソポタミアの諸都市には,バベルの塔の原型とされるジッグラトが残っている。中世以来,絵画の題材としてしばしばとりあげられている。
https://kotobank.jp/word/%E3%83%90%E3%83%99%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%A1%94-116156
キリの無い、終わりの無いものというと何でもそうという感じもするが、とりわけ節目を感じないものに最近流行りの"ソーシャルゲーム"が真っ先に思い浮ぶ。ヒットしているゲーム含めシナリオに終わりがなく、延々とプレイし続けられるゲーム。其れにアプリ内課金システムがあり、ゲームの運営会社は其れを資金にゲームを運営しているらしい。
http://www.gamecast-blog.com/archives/65816413.html
プレイヤーが終わらないゲームを遊び続けるのはハムスターが回し車の中で走っているのに似ている。しかしゲーム内の課金額がヤケに高額過ぎやしないかと気がかりになる。ソーシャルゲームの運営費は結構かかるらしいが、かなり危ない課金の仕方をしている人達も見かけられる。。
https://itainews.com/archives/2024472.html
https://itainews.com/archives/1990796.html
https://yorilog.livedoor.blog/archives/32259718.html
一応触ってみると買切り系ゲームに比べ操作性は低く、やはりシナリオの薄いものが多数を占める。チュートリアルで飽きるか、無意味な義務感を感じるデイリーが惰性になって飽きる。また"ガチャ"では最高レア(URやSSRあるいはユーザーに"人権"と呼ばれるキャラクター)を引かないとマトモなプレイにはしづらいが、ノーマルレアリティばかりが排出され、最高レアの排出率は渋いと噂のソーシャルゲームが結構ある。一応は法律で排出率の併記が義務付けられているが、問題の軸は常に博打にある。
https://wired.jp/series/game-business-battle-royale/the-gacha-problem-005/
運営会社は無課金ユーザーと課金ユーザーを共存させるために色々戦略を立てているらしいが、とりあえず大体のゲームに課金圧でシナリオを進めにくい部分が多数あって萎える。
課金に関わる"ガチャ"も運営側の不正がバレたゲーム会社も幾つもあるらしい。此の業界もブラックな部分があるんだろうか。