【Memorandum】正体不明のクワガタムシの例7

 "奥中昌一郎氏"のもとで一時スタッフをしていた人物により、2005年のパプア・ニューギニア東部への単独遠征で採集されたCyclommatus sp.:ホソアカクワガタ不明種。当時"興味の外だから"と譲ってもらった1個体。

 何かの既知種だろうと思って暫く誤同定で学名を充てていたが、年月が経って妙な個体という事に気付いた。

f:id:iVene:20241024082356j:image(体長61.5mm。見慣れない型。既知の分類群かもしれないし、未記載の分類群かもしれない。現状何か分からないから"不明種"。しかし古い文献を読み込んでみると、近い産地からとても似た形らしき個体が参照されていたような記述が見つかる)

 友人達に見せても、他には見た事が無いという話だった。

 他では見た事の無い、変わった形のホソアカクワガタ。採集された個体は1頭だけだったから何とも言えないが、よく見られる"イグジミウスホソアカクワガタ"には似る。しかし既知の分類群らしきものと、外形も交尾器も一致しないような雰囲気。既知分類群の稀型なのか、別の分類群なのか未だに分からない。

 パプア・ニューギニアの主要な採集ポイントから見られる一般的な見た目で"イグジミウスホソアカ"に似る個体群は、不明種個体が得られた際には採集されず。やや変わった場所で採集されたらしかった。

 当の採集者によって同産地でインペラトールホソアカクワガタや同定困難な雑虫が多数採集されていた。ニューギニア東部産インペラトールは、西部では見慣れない雰囲気の見た目。

 "奥中昌一郎氏"はワメナでインペラトールホソアカクワガタを、マポンドゥマでスプレンディドゥスホソアカクワガタを集めた。今回の不明種は其のノウハウを参考にして見つけられたそうな。

 現状、他例を見つけられていない。誰も行かないような場所に行かないと見つからない。

【追記】

  "奥中昌一郎氏"に関する記憶を想起すると、其の当時活躍していた人達の事も連鎖して思い出す。

 生物の分類研究をする上で、かの永井信二氏もやはりデータの真偽が分類に影響する事を懸念されていた。記載文に載せる採集データについては特段センシティブに考えねばならないのだと。

https://x.com/himasoraakane/status/1847219380012368217?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 氏が虫の販売業を辞された理由の一つに、其のデータ問題があった。"研究上問題があるから"と伺った。

https://x.com/satetu4401/status/1848204154692596073?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 研究を優先するための配慮で商売を辞めた方針についてはリスペクトせねばならない。

 しかし一方で今代見られる転売屋界隈は真逆の方針らしい。

https://x.com/twitteejapan/status/1847662260082397521?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

https://www.yuutokuji.com/sp/category02/index01.html

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 今年も秋のノーベル賞シーズンが過ぎたと思えば、"政治家の選挙期間"がやってきた。ノーベル賞は楽しく参考になる一方で、政治家の選挙運動を見るのは気が重たくなる。

https://x.com/sonohennokuma/status/1847006725712629822?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 またノーベル賞も科学分野の実績はいつも面白く世界中の業界に影響が見られるが、政治色の付きやすい平和賞等はあまり影響力が無いように見える。

https://x.com/apple7571101/status/1847251723343249588?s=46&t=6MVYq5Ovmu_MXJ16l5mXpw

 自然科学部門のノーベル賞は、政治色が無いから未だロマンが残っている。